金谷幸三流花伝の書2

金谷幸三による実践ギター講座

■ギターって次の準備をしなくては何も弾けない楽器なんです、とほほ■

ギターは左右の手のポジション移動や形、つまり次にどこに向かって何をするか?、そのためにはどんな角度で入れば合理的か?
音をレガートにつなぐため、スムーズに音楽を流すため。とくに左指(左手)の事前準備はテクニックの最優先事項!とまで言い切っています。

ミスったり、いくら練習しても弾けない。その時はその弾けない音や個所ではなくそのひとつ前の形に問題があるのです。
わざわざ弾きにくい形で突入していませんか?準備をしましたか?
ほんとに一事が万事これに尽きます。

さてその「次に移る準備」のために最も必要なのが「指をフリーにする」つまり離すことです。
押さえないということは当然筋力的に楽になる、その間に指を休めることが出来るしテクニックのすべてに関わってきます。
ところが、この動作がある思い込みによって出来なくなってしまってることが多い。曰く、
「だって楽譜に音を伸ばせって書いてあるから、2分音符分伸ばせって書いてあるから!」

指を離せば音が切れる。だから離すわけにはいかぬ、ええい離してなるものか!
だってそういう風に教わったから。という思い込みです。

ただここで彼、彼女は大事なことを忘れています。
それはギターの音は「減衰して消えていくこと」。そうです、いくら押さえていようがいつか(すぐに)消えていく、それがギターの宿命なんです。
もう音は消えてますよ、だから離して大丈夫なんですよ。。。。
さぁさ音が鳴っていないのにいつまでも押さえているなんて力の無駄ムダ。さっと離して次の準備に取り掛かりましょう。

さて今回はそんな指をリリースするコツをいくつか紹介します。一つはギターの響きそのものに直結するすごく大切な知識ですので是非覚えておいてください。

1.共鳴音を利用する

試しに弾く弦以外をすべてミュートし、なおかつ表面板もミュートしたら、ギターってすごくチープな音しか鳴らない楽器ですよね。
つまりギターの響きの魅力はその音を彩る共鳴音と余韻だと、教室では言い続けています。
この共鳴音(多くはハーモニクス)はある音を弾くと同時に弱いながらもしっかりと鳴り続けるのが特徴です。

さて上図(でかっ!)にあるように、減衰していく実音が消えゆくポイントと共鳴音のサスティーンがクロスする瞬間、
よく聴いてください、この瞬間、音がふわっと膨らむのが感じられるはずです。このとき余韻の流れは滑らかに共鳴音へと移ったのです。
そこで、この時に押さえている指をさらにギュッと指板に押し込み、ふわっと月面を蹴るようにリリースしてみてください。
感じをつかむためには、よく共鳴する2弦の10フレット(ラ)で試してみてください、この時は4弦の7フレット、5弦の5または12のハーモニクスが共鳴してくれています。
いかがですか?音は指を離しても共鳴音に引き継がれていますよね。

これで指を離すことが出来ました。

2.同じ成分を利用する

次に、当たり前ですが同じ高さの音を違う弦で同時に鳴らした時(チューニングの時のように)、片方を止めてももう一つが鳴ってくれています。
実はそれに近いことがオクターブでもできるのです。なぜならオクターブの音どうしは共通する倍音成分を多く持っていて、ギターの余韻レベルだとほとんど同じ働きをしてくれるからです。
これを利用すると例えば伴奏アルペジオなどでオクターブ下の音、できれば上のパターンも考え共鳴しやすい音が出てきたタイミングで指を離すことができるのです。

まだまだいろんな技を使って指を離していきますが、ひとまずこの二つを使って次の曲の冒頭にチャレンジしてみてください。
早めに指を離しフリーにすることで次のポジション移動が楽になるという仕組みです。

まだまだ続きます!