1966年神戸生まれ。牡羊座。
クラシックギターをパリ国立高等音楽院およびパリ国際音楽大学に学ぶ。これまで小林勝夫、岡本一郎、アレクサンドル・ラゴヤ、ミシェル・サダノフスキー各氏に師事。柔らかく流麗な音楽表現を武器にバロックから現代前衛音楽まで幅広いレパートリーをこなす。通常のギターのほか特殊な11 弦ギターを用い、常に多彩な「響き」を追究、2012 年、全編11 弦演奏によるCD「≠Forlorne Hope」を発表。
関西屈指の本格派ギタリストとして高い評価を得る一方、路上ライブを行うなど既存のクラシック界の常識にとらわれない自由な行動によっても注目されている。
2017年よりフルーティスト・岡本万貴とのユニット「黒江万金堂」を結成、アンサンブルでも積極的に活動を行う。
2005年に参加した「細川俊夫ランドスケープ」演奏メンバーとして第5回佐治敬三賞受賞のほか、第2回シャントレル国際ギターコンクール優勝(フランス)、第43回東京国際ギターコンクール3位(邦人最高位)など受賞多数。後進の指導を行いつつキッズギター・クラブを主宰、幼児・児童を対象にギター早期教育にも力を入れている。
2018年、初中級レベルの作品をあえて集めた問題作「Jeux Interdits」を発表、話題を呼ぶ。
2020年、ギターや音楽の本来あるべき姿を模索した「LoveSongs」を発表。
2023年、和歌山県での音楽活動に対し大桑文化奨励賞を受賞。
Kozo Kanatani was born in Kobe in 1966 and began the guitar at age 10 under the direction of Katsuo Kobayashi and Ichiro Okamoto. He went to France in 1984 where he studied at the Conservatoire National Superieur de Musique de Paris under Alexandre Lagoya and Carel Harms, and at the Universite Musicale Internationale de Paris under Michel Sadanowsky. He also participated in Leo Brouwer’s masterclasses in the south of France and the Netherlands. During his studies abroad, he appeared on Radio France’s modern music program and was involved in the performance of many new works. In Paris in 1989 at the Salle Cortot, he gave his debut recital with a modern music program. He has won numerous awards in domestic and international competitions, including first place at the 2nd Chanterelle International Guitar Competition and third at the 43rd Tokyo International Guitar Competition (the highest for a guitarist from Japan). With a wide repertoire spanning music from the Baroque, Classical, and modern periods, Kozo Kanatani is highly acclaimed for his aesthetics of sound and for his refined artistic expression, both tools which he uses for communicating his great love for music. Since 2011 he has started performing on the eleven-string guitar to explore new soundscapes.
about 11 strings guitar
11弦ギターは、リュートのために書かれたバロック時代の作品をそのままギターで弾けないか、と今から約半世紀前にスウェーデンの製作家と演奏家が共同で開発製作したもので、当代の名手イォラン・セルシェルの名演によって世界的に認知されました。
しかしリュートの代用としては響きが派手過ぎるのとギターとしてはその扱いの難しさから、ギター界・古楽界両方から敬遠される幻の楽器となってしまっています。
その限界を超えるべく、この楽器を古楽器の代用ではなく新しい楽器(ハープギターに近い)、可能性を秘めた楽器として現代音楽やポピュラー音楽の世界に登場させてみました。
その試みは世界的にも珍しく注目されるところです。