歳をとるともう新曲に手を出すのが億劫になってついつい安易なほうに逃げている。
そろそろ暗譜に自信が無くなってきているのだが、
ただ幸い若い時にいろんな曲をレパートリーにしていたこともあり、
今でも硬軟取り混ぜたプログラムが出来るのは、
金谷幸三の強味と言えば強味なのかもしれない。

ただこれまで弾いてきた中で「伝えたい」と思う曲は僅かしかない。
ましてやその中で「自分が好きな」曲となると本当に限られてくる。
いずれギターが弾けなくなる時が来る、
その時まで何回もそういった音楽を演奏して深めていきたい、
とは思うものの、
聴いてくださる方に「新しい音体験」を楽しんでもらったり、
音楽家としての「役目」、業界の「新陳代謝」みたいな気持ちもあって、
(それは僕のギター原体験、つまり
「スペインとかの二流作曲家をありがたく弾いて自分たちの世界だけで
満足していた」業界に対する反抗でもある。)
つい「あ、こんな曲でも弾いてみるか」と楽譜を探してきたりする。

深く掘り下げていきたい音楽と、息抜きのため聴衆のための音楽。
クラシックというジャンルを自由に逸脱し、玉石混交の音楽を楽しませる、
フレンチのコース料理の間に「フォワグラのお好み焼き」を入れる
これこそが「ギターなのだ」。
ギターだからできるのだ!
そのことを誇りと思い、これからも金谷幸三らしいプログラムを出していきたい。

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